4年MG兼ASの中島綺音です。
まず初めに、武蔵大学男子ラクロス部を日頃から支えてくださる保護者の皆様、OBOGの皆様、学校関係者の皆様に心より感謝申し上げます。日々の部活動に励むことが出来ているのは、皆様のご支援、ご声援のおかげです。本当にありがとうございます。
毎年リーグ戦前になると、4年生のラストブログを読んで気持ちを奮い立たせてきた。
そこに書かれていたのは、言葉だけじゃない、先輩たちの背負ってきた想いや覚悟、そのすべてが詰まっていた。
そして今、ついに自分がその立場になった。正直、あのブログのような熱い文章が自分に書けるのか、不安もある。けれど、これまでの想いや葛藤、今の自分の覚悟を、精一杯伝えたい。
リーグ戦3週間前に開かれた4回生MTG
「大学ラクロスで1番辛かった瞬間」を語り、
今までの自分に対して同期から本音のフィードバックをもらった。
そこで感じたことは「自分の存在感の薄さ」
分析としての存在感はあるかもしれないが、4年生として、みんなから頼られるリーダー、チームを引っ張っていくリーダーとしての存在感はあっただろうか。
去年のリーグ戦からどこか引け目を感じていた。
先輩・同期・後輩がボックスで活躍するなか、自分は観客席からずっとビデオを回していた。
ボックスに入れなかった。
競争心を掻き立てられ奮闘したものの、気づけば一緒に戦っているというより応援する立場になっていなかっただろうか。
そして気持ちを切り替えて挑んだ新シーズン
常に全力をぶつけてやろうと思った。それなのに今、気がつけばまた、引け目を感じている自分がいた。
ちょっとした大怪我をした、教育実習でグラウンドから離れた、なんて全部言い訳にしかならないし、言い訳なんてしたくない。
これは自分の弱さだ。
それがグラウンドでの存在感の薄さの要因
ただただ自分の弱さを痛感した。
私は入部した理由の一つに分析ユニットの存在があった。チームに直接的に影響を与えられる「分析」という役割には、計り知れない可能性を秘めていると感じ、とにかくわくわくしていた。
特に「分析の武蔵」という言葉
歴代の先輩方が築き上げてくださった組織、めちゃくちゃカッコイイと思った。
当時は分析を好きこのんで希望するマネージャーは少なく、私は珍しいと言われていた。しかし今では10人のかなり大規模な組織になり、「やりたい」と言ってユニットを決めてくれた子も多い。
今のメンバーに伝えたい。
まず分析班を選んでくれたこと、ついてきてくれてありがとう。日頃から、特にスカウティングが始まってさらに、真剣に分析と向き合って考えてくれているのがすごく伝わってくる。自分も負けてられない。
みんなのこと頼りにしてます。絶対勝とう。
2年生の秋、分析リーダーを任された。
不安がなかったと言えば嘘になる。プレッシャーもあったし、自信もなかった。それでも自分で選んだこのユニットのリーダー、「やってみたい」と思った。できるかどうかよりも、任せてもらえたことが嬉しくて、どこかで高揚している自分がいた。
こうして始まった24シーズン。手探りの日々だったけれど、精一杯やってきたつもりだった。
しかし昨年、一度もボックスに入ることは出来なかった。私がラクロス人生で1番辛かったのはこれだ。
一緒に戦ってきた仲間と同じ土俵に立てなかった。まるでこれまでの3年間の努力が全て否定されたかのようで、ただただ悔しい、チームの力になれない自分の無力さと焦燥感に追われていた。
挫折だった。
この時の自分は、自分勝手だったと思う。
努力が評価されていないことに固執していたのか、悔しさに囚われていた。とにかく他者からの目を気にして、これまでの自分を、自分の価値を証明しようと必死だった。
振り返れば、評価や結果に縛られすぎて、未来の自分を信じることも、前を向くこともできていなかった。
(この文章を書いている今、ふと客観的にこのブログを見て赤裸々に語りすぎではないかとちょっと不安になってます)
やるせない思いを抱えながらも、消化しきれなかった熱量を胸に24シーズンを終えた。
そして、新たな覚悟と共に気持ちを切り替えた25シーズン。
自分の中にある「勝ちたい」「一部奪還」という気持ちに嘘は無い。そしてその気持ちと向き合うために昨シーズンの入れ替え戦前から誓っていることが3つある。
・自分に言い訳しないこと
・妥協しないこと
・練習から常に本気の声量を出すこと
まず1つ目はシンプルだ。
自分の行動や発言に責任を持つ。そのために、自分に言い訳しない。
自分を守ろうとするプライドを捨てるのは、正直今でも難しい。おそらく常に出来ているかと問われたら、まだ未熟だと答えると思う。だけどその弱さを知ったからこそ、ここに立ち返ることは常に意識している。
2つ目、「妥協しない」こと
私は自分の気持ちや考えを表現することが苦手で、自分の中で色々と考えて自己完結することも多い。
実は「がむしゃら」という言葉があまり好きではない。就職活動でアドバイザーの方と面談した時にも、教育実習で授業をした時にも言われた。
「淡々としすぎている」
私は入念に準備し、段取りを頭の中で考えて行動する。そのため自然発生的な熱量を作り出すことが特性上、苦手だ。だから心の内側に熱量があっても、外に出す時にはどうしても淡々としてしまう。
他者から見て熱量が少ないと判断されれば「熱量が無い」に等しい。だから他者からの評価がこわかった。
今までの自分の人生を振り返ると、完璧主義がゆえに失敗することや誰かに落胆されることがこわくて、考えてからじゃないと行動できなくなっていた。今やっていることは本当に正しいのか。結果が出ないのは努力不足=自分に価値がないと考えてしまう。
こんな面倒な性格を正当化しようとしてきた傲慢さが今までの自分の弱さだと思う。
「がむしゃら」にやるというのは「妥協しない」ことだと自分なりに置き換えた。
そうすることによって他人からの評価が基準ではなく、常に自分の中の100%を出し切るという約束をした。
3つ目、「練習から常に本気の声量を出す」こと
声出しは、妥協しない=常に自分の中の100%を出し切る、という約束の中で自分にとって1番シンプルかつ分かりやすい事象だった。
私は1年生の頃声がすごく小さかった。と思う。
高校時代、バドミントン部で声出しはしていたので声を出すことに抵抗はなかったが、元の声量が小さい。水に入った時の復唱はもちろん、ビデオの喋りでもっと声を大きくって何度言われた事か。
そんな中、当時3年生の先輩がアドバイスしてくれた心構えは今でも自分の中に残っている。それは「朝霞プラザで寝ている人を叩き起すくらいの声量」である。声出しに自信が無い人はおすすめなので是非やってみてね。
そして去年、練習中は100%の声をだしていた“つもり”だった。ボックスに入れるよう必死に自分に足りないところを探した。声の大きさ、考えてから行動に移すまでの速さ、発信力などなど…自分はまだまだ未熟だ。もっとできる。
ここまで読んでくれている人に問いたい
今自分の出している本気は本当に100%なのか
こんな偉そうなことを言っているが、自分自身どうしようも無いやるせなさに、今もなお葛藤している。
4年生としてのあるべき存在感とはなにか。
チームを引っ張る責任と行動力
引け目を感じているうちは全てが停滞している
だから自分はもっと変わらなきゃいけない
最後に、最近ハマった本にこのような一節があった。
“あなたに出来るのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」だけ。その選択について他者がどのような評価を下すのか、これは他者の課題であってあなたにはどうにも出来ない話”
今の自分にめちゃくちゃ刺さった
私は心理学にちょっと興味があるので少し紹介したいのですが、興味が無い人は飛ばしてください…
この本ではアドラーの心理学に基づき、私たちの行動は原因論ではなく、目的論だと主張している。
【原因論】とは、「過去が今を作っている」という考え方。例えば「自分は人見知り、引っ込み思案だからリーダーシップはとれない」など。
【目的論】とは、「未来の目的が今の行動を決めている」という考え方。例えば「勝つために自分もリーダーシップを持てるようになりたい。だからまずはメンバーとのコミュニケーションから始めよう」など。
つまり過去がどうだったかよりも、これからどうなりたいかという目的が今の自分の行動を決めている。
(難しい話だと思うので興味を持ってくれた方は調べてみてね)
要するに人は変われる
他人からの評価とか、目線とか気にするのはもはや仕方ない。結局は絶対に勝ちたいとか、自分の素直な気持ちをどれだけ持っているか、それに従って行動できるかどうかが大切で。
日本一になるための正解とか、正しさとか誰も知らないんだから、自信がなくても比較的当たり前だと思う。
誰しもが葛藤するし、自信がなくなる時もある。でもその自信って誰かから与えられる様な受動的な姿勢では得られないはず。
だってこの部活は仲良しごっこじゃないから
自信は自分で見出すしかない
モチベもそう
この部活では、勝つためには、常に今の自分が出来る以上のことを求められ続け、自分の出来ない事と向き合わなきゃいけない。
今まで気づかなかった、目を背けていた自分の弱さを常に突きつけられる。
だからこそ辛いし
だからこそ成長できる
今シーズン始まったnippo
投稿されるたびみんなの熱い想いに心動かされる
殻を破る同期、後輩たち
みんながどんどん変わっている、自分をさらけ出していく
同期のみんな
プレイヤーは入部してから半分くらいの人数になり、マネージャーは8人から2人になった。ゆうきが「残ってくれたマネ2人に勝利をプレゼントしたい」と言ってくれたとき、このメンバーで勝ちたいという気持ちがもっともっと強くなった。ゆきなが伝えてくれたけれど、マネージャーからもプレイヤーに最高の勝利をプレゼントしたい。こんな本音をぶつけ合って話し合えると思っていなかった。みんなの想いを聞けて、自分の想いを話せる、最高の戦友。
そして変わっているのは私たち学生だけでなく、コーチの2人も「武蔵と関わってから自分も変わった」と聞いて衝撃だった。心揺さぶられた。
どの立場だって思うけど、コーチにも最高の勝利をプレゼントしたい。いや、全員で掴みたい。
最高の景色をみたい。
大学は人生最後の学生生活
何か本気になれることがしてみたい
そして日本一に憧れて入部した
このチームで勝ちたい
「勝つために負ける要素を削る」
「勝つべくして勝つ」
REDEEMと掲げた25シーズン
自信を持って武蔵が一部奪還すると言おう
言えるまでやる
絶対勝とう
絶対勝つ
中島綺音