当部ブログを読んで頂いてる皆様
長いシーズンご支援頂きありがとうございました。
武蔵大学男子ラクロス部ヘッドコーチの長妻と申します。
11月16日の試合をもちまして2019年度武蔵大学男子ラクロス部の活動は終了となります。
皆様のご支援をいただきながら組織としての活動を完了できましたこと感謝しております。
また、今年も一年間大きな問題もなく、学生が活動できましたこと、
大学関係者、ご父兄方々の常時の支えがあってこそだと思っております。
この場を借りて、お礼申し上げます。
今年も、スタッフからシーズン後のブログの依頼があり、内容考えていたところ、
直近の武原(スタッフリーダー)のブログ(http://mulax.net/blog/detail/id/15879)を読み、
大学4年間で得た経験や成長を裏付けるかのような言葉やメッセージ、
『日本一を目指す中で、自ら成長し、最高の4年間を過ごす。』という当部のヴィジョンを達成できたという言葉をきいて、自分自身、武蔵大学男子ラクロス部にかかわる指導者として、
誇らしい気持ちと同時に、自分自身の能力の無さを痛感しました。
彼らの成長を結果で証明し、目に見える形として彼らのこれからの後押しをすることができなかった。
この義務が自分自身にはあるなと思いました。
少し話が変わりますが、
自分自身が大学ラクロスの指導者という立場が魅力的であると感じるのが、
選手の成長がダイレクトに結果に反映される傾向が強いスポーツだからです。
他のメジャーなカレッジスポーツとは違い、
ラクロス競技経験者のスポーツ推薦がほとんどなく、
選手の実力の高低でリクルートができず、競技経験という面ではほぼ全員0からのスタート。
ここからは少し批判的な意見を頂戴するかとは思いますが私見を述べますと、、
競技経験のスタートは一緒でも、大学(大学環境、チーム環境)によって選手が辿っていくであろう成長曲線は残酷なほど違います。
大学ラクロスのカテゴリーの構成・順位をみれば分かる部分もあるかと思いますが、
高偏差値の大学、大規模大学、体育系の大学が常に上位にいる構図に表れます。
①まず、それまでの成功体験の数が違うこと。
高校までの受験勉強や部活動において、
自身で目標を掲げ、日々それを達成させていくという延長線上にたどり着く一つの指標が大学であるとするならば、
それまで自身に課してる目標の高さの基準、それを達成させるだけの努力の仕方や量が違うこと。
目標に向かって自己を成長させるための方法論が体感として身に付き、そこに向かうだけの必要量をこなせること。
これは新たな環境で自身を成長させる上でも、仲間を巻き込み組織を向上させる上でも大きなアドバンテージになります。
②リーチできる情報の質が違うこと。
当然ながら、強豪校にいる方がラクロスの知識面でも、
指導者やOBに優秀な選手が多くアドヴァンテージがあることもそうですが、
自身が所属しているコミュニティから普段浴びてる情報の質が違います。
例えば、国立の東大、一橋、学生起業が身近にあったり、外資系コンサルへのインターンなども身近にある状況。
※ちなみに東商戦の協賛がABeam Consulting 。
早慶戦の協賛が各財閥系企業の三田会、稲門会。当然ながらOBや関わる大人もそういった方々が多く、多様な視点を頂く機会に恵まれてること。
海外留学や帰国子女との交流、経済的な状況やコネクションから得られる選択肢の多様さ、その選択肢から得られる刺激や視点、経験の数。
③競争環境がちがうこと
当然ながら数の原理で、大規模な大学ほど入部を見込める部員の期待値も大きくなり、競争母数は多くなる傾向にあります。
また、競争の質でもそれまでの成功体験が豊富な選手が多いほうが、高いレベルでの競争が可能になること。
自身や組織を成長させる経験値があり、方法論として会得してること。
持ってる情報の質や量、視点や経験から得た引き出しの多さが違う。
規模が大きく、質の高い競争環境に置かれてること。
この掛け算が、
競技経験という面ではほぼ全員0からのスタートの大学ラクロスに置いて、
各大学のチームの強さや、チームに属する個人の強さに大きく反映されます。
なので、早慶東大が上位にいることも、MARCHがそれに次ぐことも、体育大学の傾向が強い大学が上位にいることも、当然ながら順当。
※早慶東大や体育大学を疎んでるわけではありません。武蔵出身の自分は高校まで勉強や部活においてそこまで努力してなかったので。
僕の役目は、
武蔵大学男子ラクロス部に所属する学生の、四年間を濃密で、最大限成長できる環境をつくること。
そして、それを結果で証明すること。
今自分たちが良くも悪くもこの位置にいるのにはそれなりの理由がある。
男子学生2000人弱(関東のラクロス部ある大学で一番規模が小さい)、学力も特に高いわけではない。
その中で、チームの性格の構築、リクルート体制の構築、一年生育成のフォーマット化、チームの強化戦略、恒常的に一部に在籍してること。
全部にそれを再現できるだけのノウハウや裏付けがある。
でも、現状それだけのことしかできない。
驕った言い分に聞こえるかもしれないが、
一組織の成長はその長のキャパ以上は伸びない。
特に、まだ未成熟で自走まで至ってない武蔵ではその側面が強いと感じる。
ヘッドコーチという役目を負ってる自分自身に大きな責任がある。
自分自身を客観的に見てみたときに、
選手経験としては3部レベルの経験しかなく、指導者としては1部の上位やfinal4の経験がない。
指導者の母数が増え、流動化が進む中、おそらく1部のチームで選手や指導者としてfinal4や全日本選手権等の高いレベルの経験値がない指導者しかいないチームって武蔵だけなんじゃないのか?って今更ながら気づきました。
そこが自分自身の現在地だし、武蔵の現在地。
その中で、部員の四年間の成長を結果で証明するのは、
僕自身の指導者としての能力を劇的に上げる必要がある。
この視点が正直欠けていました。
文頭の武原のブログの件に表れてるように、スタッフの成長はものすごく感じる。
結果には付いてきていない部分もあるがフィールドでのやり取りや取り組みに選手の成長も実感する。
これはほんとうに誇らしく嬉しいことです。
ただ、組織や部員が成長してる分だけ、
自分が彼らに与えられるもの徐々に少なくなってきている。
ここがボトルネックになってるなと痛感した一年でした。
彼らの成長に耐えれるだけキャパがなく、
成長を結果加速させてあげれてない現状です。
新シーズン。
結果を出すために自分自身が指導者として向上していくこと。
そして部員の成長を最大化できるように、環境や仕組みを整えていくこと。
初心に戻ってやり直します。
早慶東大に勝ち、日本一になる!
現役だけでなく、卒業生含め今まで武蔵が歩んできた過程を結果で証明するために。
そういう一年にします。
最後に余談になりますが、
最近、ラクロスに関わることで一番うれしかったことがあります。
4年MF#74の蓮見が1部Best12を取ったことです!
※2年#3古井(レゲェ)の1部新人王は、うれしさよりも笑いが勝ちました。
他の部員に怒られるかもしれないですが、
蓮見が取ったことに武蔵として意味があると思います。
蓮見とパスミスをもじり『パスミ』と呼ばれていた事もあり、
成蹊との合同チームを組んだ新人戦では出番ないぐらいの選手でしたが、
地道に不器用ながら、(ほんとに未だにシュートが下手だけど)
武蔵のラクロスの特徴である、切り替え、グランドボ-ル、プレー強度、フルフィールドラクロスを誰よりも体現した選手。
コーチとして、武蔵ラクロスのプレーモデルを確立するために、率先してプレーで体現してくれた蓮見に感謝してるとともに、彼の四年間の努力が一つの形として評価されたことを嬉しく思います。
2020シーズンの武蔵大学男子ラクロス部もよろしく御願い致します。