ブログを読んで頂いてる皆様
長いシーズンのご支援頂きありがとうございました。
武蔵大学男子ラクロス部ヘッドコーチの長妻と申します。
先日の試合をもちまして2018年度武蔵大学ラクロス部の活動は終わりになります。
皆様のご支援をいただきながら組織としての活動を完了できましたこと感謝しております。
スタッフからの依頼でブログを書く事になり、
何を書こうか考えていた際に、何の脈絡もなく2018年度主将の原田大輝より、
「長妻さんって何年コーチやってるんですか?」問われ、よくよく考えてみると8年も。現役時代の4年間含めて12年間も武蔵大学男子ラクロス部に置いてもらえてる事に自分自身驚愕しました。
三年半前に会った四年生ももう引退。
時の流れは早いです。
あんな小さくて素直だった大輝もそりゃ大きくなるわ!!
昔は肩車して試合観戦したり、閉じ込めたり、転がして遊んでた大輝が主将になるとは。
ちょっと真面目な話に戻ります。
良い契機を頂いたので、自分自身が何故こんなに長くチームに関わっているのか考えて見たところ。
一つは、本当にこの部活が好きで、ここで起きる事が楽しく、大事で、部員の成長をリアルタイムで間近で見れる事、
もう一つは、自分自身でやり切れなかった事、4年間を過ごした部員に対してしてあげられなかった事、目標・目的まで導けなかった悔しさやそこからくる課題ややりたい事が年々アップデートされた結果、亡霊のように残してもらってます。
自分自身が納得いく形になったら即引退しようと思ってますw
振り返ってみると、ここ何年かで、
フィールド場の結果では武蔵は大きく変わりました。
三部下位だったチームが一部になり、新人戦では結果を出すようになり、
ちょっと昔の武蔵ラクロスや関東ラクロスの情勢を知っている方からしたらちょっとした驚きはあったとは思います。
もちろん、現状の結果を出すために、
卒業生・スタッフ含め、日々努力し、文化が醸成し、仕組みが徐々に出来上がってきたからこその今があります。
ただ、
今現在の武蔵の目標・目的を達成するためには圧倒的に足りない。
新人戦で結果出すだけでは、一部に在籍してるだけでは、周りはもう評価してくれない。
そして、何より自分達でも納得できなくなってきている。
全員からでは無いですが、
こういった感情を、現役からリアルに感じたのは実は今年が初めてでした。
一部に在籍している何年間で、
もちろん目標をファイナル4や優勝に掲げることはありました。
ただ、一部にいることへの満足感の方が大きくどこか下を見ながら戦っていたこと。
そうした組織のヘッドコーチに自分自身がいたことは否めません。
今年一年の武蔵は、プレイヤー、スタッフ問わず部活内外の活動を通して、
より個々人の成長に焦点を当てようとした年になりました。
プレーヤー活動における、技術獲得、戦術取得、選手育成・組織構築の中で、
スタッフ活動における、専門領域の知識獲得、思考・選択・判断、実行、フィードバックのサイクルの中で、
各々の成長とチームの成果に対する還元が見えやすくなってきたかと思います。
フィールドで活動してくれる選手の活躍もそうですが、
審判の資格を取得し、リーグ戦で笛を吹いた経験をチームにフィードバックしてくることで、普段の練習や練習試合のクオリティ向上や、ファール数の減少とともにゲームがコントロールしやすくなったこと。
組織の取り組みをブログやSNSを通して発信し、OBOG、ラクロス関係者や大学関係者、保護者の方々にPRした広報。特に今年は保護者の方々から期待や支援を多く感じることができました。
トレーナーとして、怪我人の負荷のコントロールや、事前の怪我予防、怪我発生時の対応に勤めてくれたおかげで、人数の少ない武蔵をしっかり自分達の力を最低限発揮できるだけのフィジカルコンディションの維持に貢献。
分析スタッフとして、自チームの現状把握や改善提案、相手チームのスカウティングなど。また数字の抽出にだけでなく、数字をもとに論理的に改善案を組み立てプレーへのフィードバック、プレー改善の進捗管理、選手の思考の壁打ち相手まで。
スキルや経験の取得を通じて組織に貢献し、
その過程の中で、自ら知識を獲得し、考え、実行し、影響力を持つという点で、
自分がチームの成果に対して責任を持つという自認とともに、成果に対してコントロールできる範疇がわかったり、その範疇をどんどん拡大していくメンバーがいたり、
成功要因・失敗要因を自分ごととしてより詳細に捉えられることができたメンバーもいたかと思います。
だからこそ、
自分達の力不足を痛感し、
早慶東大との差が嫌という程見えてきたメンバーもいると思います。
自分達が目指すポジションには既に長い間、早慶・東大がいます。
彼らは常にその他多くの大学にとって「与える」側にいます。
早稲田の強い突破やGBやDF時のプレッシャー、慶応の組織的でクレバーなチームオフェンス、
東大の試合の流れを確実に持ってくるゲームマネジメントやそれを支える知識や経験の蓄積。
彼らに憧れて、近づきたいと思う。戦いたいと思う。
知識ややり方だけでなく、モチベーションや目標まで与えうる存在です。
でも、彼らの見てるものは、自分達より遥か上、
日本のラクロスをリードしてることを自認し、NCAA校との試合を実現したり、
今までにない施策を打ち出し、経験や知識を獲得し学生のラクロスレベルを引き上げてくれてます。
また、STE、FALの選手、日本代表の選手、MLLへ挑戦している選手、NJCAA・NCAAに挑戦している選手などの存在、知識や経験・技術の還元があって今の自分達がいます。
このような環境を与えてくれた事に、尊敬と感謝をしてます。
ただ、武蔵はある意味、彼らの与えてくれたもの中で、
アンチを掲げ、彼に挑むことが価値になっていた部分があります。
大学の規模や、部員の数、大学やOBの支援、過去の実績全て見劣りする中で、
関東一部に所属することが、ある意味、満足感や自分達の取り組みに対する自己肯定感を与えてくれていました。
当然ですが、そこに甘んじてるだけでは、
これからの目標も達成できないし、組織としても個人としてもこれ以上の成長はない。
今年の一年でそこに改めて気づかされました。
日本一やファイナル4の目標を掲げるなら、
他の組織から目標とされ、「与える」側でいなくてはならない。
自分達が戦い超える相手はそういう存在です。
慶応・早稲田・東大の真似はしなくていい、STE・FALの真似もしなくていい。
ただ、自分達にしかできない組織のあり方、自分達の道を切り開き進んでいく力がないと、
彼らが作ったものを模倣し、時には対極の立場をとる「与えられる」側の存在でしかない。
武蔵にしかできないやり方で、
関東のラクロスに、日本のラクロスに新たな価値を生み出すことが求められてます。
この役割を目一杯楽しみ、最高に組織も個人も成長し、
必ず、やったりましょう!!
多分、それができるまで僕は引退しないです。
明日から始まる2019シーズンもどうぞ宜しくお願い致します。
長妻