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2025

ラスト幹部ブログ 主将 佐藤大志


ラスト幹部ブログ


武蔵大学男子ラクロス部の2025年度主将を務めた佐藤大志です。


まず初めに、日頃より武蔵大学男子ラクロス部にご支援、ご声援くださっているOB、OG、保護者の皆様、そして学校関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。


今シーズン、私たちは皆様からの多大なる支えのもと、何不自由なく部活動に励むことができました。


直接会場に足を運んで応援に来てくれた方々、また、遠方から配信を通して熱い声援を送ってくれた皆様の存在は計り知れない大きな力となりました。この場を借りて改めて深く感謝いたします。皆様の期待に応えるべく、これからも武蔵大学男子ラクロス部は進化し続けるので、引き続き温かいご声援をよろしくお願いいたします。



学生最後のブログとなり名残惜しさを感じていますが、この四年間で経験し、学び、そして強く感じた思いを、最後まで読んでもらえれば幸いです。





武蔵大学男子ラクロス部の今シーズンの目標は「一部奪還」であった。1年間、この目標を旗印に掲げ、血の滲むような努力を積み重ねてきた。


しかし、今シーズンの結果は2部ブロック3位。目標未達という、悔やんでも悔やみきれない結果に終わった。



社会に出れば、目標未達は、会社組織において「責任」を問われる。

プロの世界であれば、年俸の減額や戦力外通告という厳しい現実が待っているだろう。


では、私たち学生スポーツの現場はどうであろうか。


目標を達成できなかった自分は、戦力外になったのか。答えは「否」である。誰も私たちを見捨てず、むしろ最後まで応援し続けてくれた。

逆に、もし一部昇格という目標を達成していたとして、私たちに金銭的な報酬や賞金が与えられることもない。


この「対価としての報酬がない」という点にこそ、学生スポーツの計り知れない素晴らしさと本質的な価値があると、私はこの四年間を通して確信した。


お金や物質的な対価が報酬として表れないにも関わらず、真の仲間と力を合わせ、時には意見をぶつけ合い、辛く厳しい練習を乗り越えて、一部昇格や学生日本一という壮大な目標を全員が本気で目指せる環境。これこそが、学生スポーツが提供してくれるかけがえのない財産なのだ。



社会人となれば、私たちの一挙手一投足は「その仕事が利益を生むのか、生まないのか」というシビアな判断基準に晒される。

金銭的な利益を生まない行動に対しては、どこかで躊躇いや抵抗が生まれてくるだろう。


私たちがこの四年間、ラクロスに費やした時間と労力は、確かに金銭的な利益を生み出してはいない。


だが、その過程で経験した、目標達成に向けた一つ一つの行動への葛藤、仲間との真剣な衝突、共に汗を流し、本気で一つの目標に向かう「青春」の全てが、計り知れない精神的な財産として私たちの中に残った。


これは、これから先の人生でどんな困難に直面しても、私たちを支え続ける揺るぎない礎となるだろう。


近年、学生スポーツ界において「勝利至上主義」という言葉が議論の的となっている。

しかし、私はスポーツの本質は、やはり「勝ち負け」に本気でこだわり、追求するところにあると考える。

勝ち負けに真摯に向き合い、全身全霊を懸けて戦うからこそ、その先に「本当の楽しい」という感情に辿り着くことができるのだと信じている。


リーグ戦で苦しい時間帯を乗り越え、掴み取った「勝利」の瞬間、仲間と分かち合ったあの爆発的な喜びこそが、学生スポーツの醍醐味であると断言できる。



今年のチーム状況を振り返ったとき、多くの「良かった点」があった中で、特に「ラクロスというスポーツを楽しめる人が増えた」ことは大きな収穫であった。


しかし、この「楽しい」という感情の質について、私は後輩たちに改めて問いかけたい。


後輩たちには、今の「楽しい」が、実は本当の楽しさの入り口に過ぎないことに気付いてほしい。

本当の楽しさとは、このスポーツに対して一切の妥協なく本気でこだわり、日々の厳しい練習を自ら律して行った「その先のガチンコの勝負」でしか味わえない、究極の喜悦である。



このスポーツに対してどれだけ深く打ち込めるか。日々の練習におけるワンプレー、ワンプレーに、どれだけ強い想いを込めることができるか。


その「想いの強さ」こそが、真の楽しさを伴う試合、つまり「本気の勝負」に近づくための絶対条件だと考える。



プロのサッカー選手や野球選手が、試合中に心の底から楽しそうにプレーしているように見えるのは、彼らが私たちとは比べ物にならないほどの、類い稀なる努力や練習を積み重ねているからである。

彼らの「楽しさ」は、生まれ持った才能や、その場の雰囲気が良いから、人間的に優れた人が集まっているから、といった表面的な理由で生まれるものではない。

彼らは、スポーツに本気になればなるほど、その裏側にある真の楽しさに気付き、それを全身で表現しているのだと思う。


私自身、情けない話だが、ラクロスの本当の楽しさ、すなわち「勝利に本気で拘る喜び」に気付いたのは、本当に四年間を終える間際、最後の最後になってからであった。


HC(ヘッドコーチ)のシュンソクさんが、私たちによく「練習を楽しむというのは、自分自身が上手くなるために思考を繰り返し、その答え合わせをする中で仮説検証を繰り返すのが一番面白いんだ」と言っていた。

この言葉を初めて聞いたとき、正直に言って「この人は頭がおかしいのではないか」と本気で思っていた。

しかし、今、この四年間を振り返ると、あの言葉の真意を本気で理解し、その考えに至ることができていれば、私はもっとラクロスというスポーツに対して「狂ったように」好きになり、より濃密な時間を過ごせたのではないかと、強く後悔している。



この後悔を、後輩たちへのメッセージに変えたいと思う。



「もっと人に対して、プレーに対して思ったことがあれば、それを口に出せ。」



「実はあのとき私はこう思っていたんです」という言葉は、もう遅い。思ったのなら、その瞬間に言うべきである。

それが仮に、一瞬チームの雰囲気を悪くする可能性があるとしても、目標達成という共通の目的のためであるならば、言った方が絶対に良い。


マネージャーだから、プレイヤーだから、オフェンスだから、ディフェンスだから。

そんな線引きは、一切関係ない。


チーム全体が掲げた「目標を達成するため」という一点において、それぞれの立場や役割に線を引いているようでは、真のチームとは言えない。


全員が当事者意識を持ち、「チームのために」と思ったことは、遠慮なくぶつけ合うこと。

それが、チームを真に強くし、最高の「青春」を創り上げる唯一の道だと信じている。




最後にHCを引き受けてくれたキムさん

ACを引き受けてくれた徳さん



先の見えない暗闇を救ってくれたことに本当に感謝しかないです。


ラクロスのことだけではなくこれからの人生にとって大切なことを沢山学ばせていただきました。これからもよろしくお願いします。



来年、再来年以降武蔵は強くなると確信しています。


新しくなった武蔵を注目しながら応援して貰えると幸いです。



本当にありがとうございました。



25MULAX 主将

佐藤大志

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