ラスト幹部ブログ
こんにちは。
’25シーズンでスタッフリーダーを務めました、中村幸奈と申します。
まず初めに、日頃より武蔵大学男子ラクロス部をご支援くださっているOBOGの皆様、保護者の皆様、そして学校関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。
’25シーズンの活動にあたり、多大なるご理解とご協力、そして温かいご声援をいただき、本当にありがとうございました。
今シーズン、皆様のご支援のもと、部員一同は何不自由なく部活動に励むことができました。
日々の練習環境や試合の場でその支えを肌で実感し、その存在が私たちの大きな原動力となりました。
改めて、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
ラスト幹部ブログを始めさせていただきます。
’25シーズンの結果。
目標としてきた「一部奪還」を懸けた上入れ替え戦にも進めなかった。
それが、今シーズンの「結果」。
目標に届かなかった。
その結果を受け止めたうえで、このブログを綴ります。
リーグ戦で敗れた千葉や成蹊
そして、学生日本一やFINAL4に進出できる強いチームとどれだけの差があったのだろう
今年の武蔵の弱さは何だったんだろう
引退してから、何度も頭をよぎった。
強いチームは、
圧倒的な量と努力をこなしたから出る自信がみなぎっている
圧倒的な存在がいる
日々の判断基準を揃える勝つための規範の継承がある
と思う。
今年の武蔵大学男子ラクロス部は、努力の総量と、それを支える基準が足りなかった。
のだと思う。
けれど、それを分かっていながらも、日々の中で「何かを変えよう」と本気で動き続けられた人は、どれだけいただろうか。
“やってるつもり”になっていなかったか。
“考えてるつもり”で止まっていなかったか。
“本気になる"を心から体現できていたか。
それを、一番自分自身に突きつけなければいけないのがリーダーだった。
そして、私はその責任を果たしきれなかった。
それが、チームの結果として現れているのだと思う。
圧倒的な結果を残すチームは、
“勝ちたい”と口にする前に、その想いを“行動”で示していた。
それが、武蔵にはまだ足りなかった。
そして、私がその空気をつくりきれなかった。
そして、特に今年の武蔵に足りなかったこと。
それは、
「意志」と「基準」が揃っていなかった。
ということ。
どんなに技術があっても、意志がなければ動けない。
どんなに想いがあっても、基準がなければ甘える。
このチームには、個々の「頑張り」は確かにあった。
今シーズン、今までより見違えるほど成長した人も多かったと思う。
けれど、「勝つために何をどこまでやるのか」という基準が、バラバラだったように感じる。
全員が「本気で一部奪還をする」と言葉では掲げていた。
でも、その“本気”がどのレベルなのかを、明確に定義できていなかった。
だから、各々が“自分なりの本気”で止まってしまったのかもしれない。
“本気”のラインをそろえること。
意思が先行していたことが、今シーズンの最大の敗因だと思っている。
強いチームには、必ず「基準」がある。
プレーの質、練習の強度、発言の一つひとつに「勝つための思考」が染み付いている。
「今日はこれくらいでいいか」と思った瞬間、
「昨日より少し頑張れた」で満足した瞬間、
そこに差が生まれる。
その差が、積み重なって結果になる。
と強く実感した。
そんな今年は、コーチ陣を新たに迎え、
チーム体制は大きく変化した。
このお二人が、反省の質の向上や、一人ひとりがオーナーシップを持つこと、そして何よりラクロスというスポーツをやることの楽しさを何度もチームに伝えてくれた。
私にとって忘れられない日がある。
今年から新たに始まったラクロストーナメント戦で、去年入れ替え戦で敗北を苦した立教と戦った時。
4Q残り数分のところで4-5 1点ビハインドの状況だった。
その時のチームタイムアウトで、
HCのしゅんさんがこう言った。
「ラクロスというスポーツをすることをまずは楽しめ。
楽しいラクロスをしよう。」
と。
その一言で、空気が変わった。
重く張りつめていた緊張が少し和らいで、
もう一度“自分たちらしく戦おう”という雰囲気がチーム全体に広がった。
ボックスにいるみんなも自然と声が出始め、誰もが最後まで勝ちを信じていた。
そして、たいせいが同点ゴールを決めた瞬間、
その場にいた全員が叫んで、喜んだ。
あの瞬間こそ、全員が勝ちを信じて自然と声を出していた時に、チームが一つになれたと心から感じた。
この全員が心でつながる瞬間こそチームの力だと実感した。
こうやって、チーム全員で気持ちを一つにする瞬間が、今シーズンは何度もあった。
こうやって感情をむき出しに、
そしてラクロスというスポーツを楽しむという根本を全員が見失うことなく出来た事
これが25MULAXが作り上げた文化だと思う。
しかし、チームとしての雰囲気も、どこか「甘さ」が共存していたんだろう。
仲が良いことは悪いことではない。
ただ、仲の良さがぬるさに変わった瞬間に、
勝つための組織ではなくなってしまう。
チームの基準はどんどん下がっていく。
私は、そこを変えたかった。
スタッフとして、誰よりも近くでチームを見ていたからこそ、
「本気で戦う」空気を作りたかった。
作るために、行動をし続けた。
「変えたい」と思うだけでは、何も変わらない。
変える覚悟を持って、行動し続ける人がどれだけいるか。
それが、勝負を決める。
リーダーという立場に立った瞬間から、
「チームがどうあるべきか」「何をすべきか」
そのすべての矢印は、自分に向けられる。
勝利のために何を決め、どう導くか。
それを常に考え続けるのが、リーダーの責任。
誰かがそれをやらなければ、組織は変わらない。
「誰かが言ってくれるだろう」と思った瞬間に、
チームは止まる。
“リーダーの役割”は、
正しい方向へ導くこと。
そして、たとえ孤独になっても、その覚悟を背負い続けること。
それを、この一年で痛いほど学んだ。
スタッフという存在は、
裏方でもサポートでもない。
勝利のために戦う、もう一つの戦力だ。
武蔵大学男子ラクロス部には、歴代のOGの皆様が死に物狂いで築き、繋いできた「文化」がある。
それが、「スタッフから勝たせる」ということ。
勝利の一因となれる戦力として動くこと。
だからこそ、スタッフが何を考え、どう動くかでチームの空気は変えられる。
声の温度、判断の速さ、練習・ボックスの雰囲気──
その一つひとつが、選手の士気を左右する。
けれど、「戦力としての意識」を全員で共有し、同じ方向を向くことの難しさも痛感した。
“誰かのため”ではなく、“勝たせるために”動く。
“補助”ではなく、“主導”の意識を持つ。
それは簡単なことではない。
でも、その中で今年のスタッフ陣は一人ひとりが、それぞれの立場で“勝たせる”ために考え、動いていた。
本気で戦力となるように動くスタッフたちが、シーズンを通して増えていった。
何事にも本気で取り組み、責任感を持ったスタッフ達でした。
みんな、本当にありがとう。
このチームを終えて、
そしてスタッフが文化を繋ごうともがいた姿を見て、
改めて思うのは、「文化」とは言葉ではなく「行動で残る」ということ。
繋ぐというのは、誰かの真似をすることではない。
前の代が積み重ねてきたものを、
“同じ熱量で超えていくこと”だと思う。
その繰り返しが、武蔵の歴史をつくってきた。
「文化」は、語り継ぐだけでは弱い。
「行動」として残して、初めて次の代が本気で受け取れる。
だからこそ、私は最後まで、
「スタッフが戦力である」という文化を、
この部に刻みたかった。
25シーズン、何度も「スタッフから勝たせる」という言葉を使い、それをリーダーとして体現したつもりだ。
そして、「死ぬ気で取り組んで、組織の中での存在意義を作れ」と。
そして、もう一つみんなに伝えたいこと。
勝つために必要なのは、
「誰かのせいにしない強さ」と「自分を変える覚悟」だと思う。
「誰かがやってくれる」
「自分には関係ない」
他責のままでは、チームは絶対に強くならない。
逆に、一人でも「自分がチームを変える」と信じ動く人がいれば、組織は確実に変わる。
その一人目が、次の代のリーダーであってほしい。
次のスタッフたちが、その空気を作ってほしい。
そして、勝たせる存在であってほしい。
このチームの弱さも、強さも、沢山見てきた。
理想を語ることが苦しくても、仲間が離れていった時も、何度も失敗をしても、
それでも「変えたい」と思えたのは、
間違いなく、このチームが大好きだったから。
チームみんなと、目標に向けて、がむしゃらになれる、この部活が楽しかった。
私は、武蔵大学男子ラクロス部というチームが大好きだ。
どれだけ悔しい結果でも、
この場所に全てを懸けたことは、誇りだ。
26シーズンで、一部奪還を果たし、武蔵大学男子ラクロス部が一部の舞台でまた戦えることを期待しています。
そして、私は胸を張って言いたい。
「25MULAXが、あの文化を繋いだ」と。
この一年、スタッフリーダーとして、ずっと悩んでいた日々だった。
それでも
何度も挑戦して、逃げずに自分に向き合い続けた子
自分の存在意義を探しに、ずっともがき続けてきた子
自分の強みを見つけて、ボックスでその子だから出せる強みで戦っていた子
自分の中の葛藤・不安をぶつけてくれた子
このスタッフのみんなが、私の1番の原動力だった。存在意義だった。誇りだった。
これからも、
武蔵のスタッフの文化を継承し、体現していって欲しい。
3マネが先頭に立ち指標となる、2マネはこの文化を身をもって感じれるようになるまでがむしゃらにもがき、1マネが個人もチームの底上げする。
3マネは、必ず繋いでいってくれると、確信しています。
一部奪還を君たちの代で、成し遂げてくれると信じています。
最後に、このチームに関わってくれたすべての皆様、本当にありがとうございました。
しゅんさん、徳さん。
武蔵大学男子ラクロス部のコーチを引き受けてくださり、そして私たちと共にチームを作り上げてくださり、本当にありがとうございました。
お二人からは、たくさんの大切なことを学び、気付かされました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
これからのチームのことも、どうかよろしくお願いいたします。
そして、石渡さん。
先の見えない時期も多かった中で、私たちを支え、進むべき道を示してくださったこと、心より感謝しております。
部員のみんなも、
先が見えない中でも4年が作るチームを信じてくれて、本当にありがとう。
武蔵大学男子ラクロス部で活動できてよかった。
私の全てでした。
ありがとうございました。
そして、これからの武蔵大学男子ラクロス部をどうぞよろしくお願いいたします。
25MULAX スタッフリーダー
中村幸奈