ラストブログ
こんにちは。
2024年度 武蔵大学男子ラクロス部の主将を務めております。
4年MFの雪江陽平と申します。
まず初めに、OBOG、保護者、学校関係者のご協力のお陰で24’MULAXの活動ができています事、この場を借りて心より感謝申し上げます。
試合の動画を見てアドバイスをくれる人、チーム状況を聞き連絡をくれる人、突然個人に支援金を送ってくれて「部の活動に役立てな」とかっこいいセリフで支援してくれる人など、4年になり、この立場になってMULAXの温かさを感じます。
そんな方々の期待を背負い、共に日本一まで突っ走っていきたいと思っています。
どうぞ、最後まで応援お願いいたします。
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同期13人、それぞれの思いを熱く綴ったラストブログを読み、日に日に気持ちが入る。
日本一。このメンバーで一番長く、どのチームよりも最後に引退を迎えたい。
そんな想いを先に語り、ラストブログに移ろうと思います。
個人を振り返りながら、リーグ戦への想いを書きます。是非読んでください。
練習量にこだわり上手く行っていた1年時
色んな怪我をして半年くらいラクロスをやってない2年時
リーグ戦に出て、弱さに気づいた3年時
過去の自分の方が輝いているという一番ダサい状況。
自分自身を信頼できないまま、納得できないまま引退の日を迎えたら自分に絶望するとシーズン始まりのブログで書いた。
今シーズン「spirit」というスローガンを掲げて、接戦を制する精神力、粘り強さに重きを置いてきた。
それはチームの課題であり、自分自身の課題でもあった。
苦い思い出だが、少し昨年のリーグ戦を振り返る。
心から信頼していた先輩を勝たせたい、この人達を日本一にすると意気込みながら自分で打開する自信も実力も覚悟も無かった。
多少は貢献できたと思う、けど流れに身を任せるだけの存在。逃げてはいないし、ポジティブな発言はしているが、何とかして個人で打開しようとか、個人で流れを変えようとしない。いや、出来ないと思っていたんだと思う。
今みたいにより先を目指して熱くなって行き過ぎる事も、試合中に感情的になる事も無かった。(去年の自分を知っている人なら感じているはず)
そんな弱く、情けない挫折経験を通して、今年は自分の行動を大きく変えた。
大切にしていた事がある。
それは、自分がガラスの上に立たされている状況だと常に思う事。
要するに、どんな行動でも他の人から見られている意識を持つ事、「まぁ、いっか」を許さない事だ。
生きづらいそうだと思われるだろう。だけど、その意識は自分自身を強くしてくれた。
宗教的と思うかもしれない、もしくは野球部っぽい考えだと思われるだろう、仕方がない。野球部出身なのだから。
MULAXの話をしようと思う。
武蔵の恵まれたラクロス環境は「スキル」「知識」に関して、自分で学び、努力しなくとも押し上げてもらえる。だけど、あと一歩の踏ん張りや厳しい状況での精神力は与えられて身につくモノではなく、自分自身に負荷をかけて負けずにやり切る事、自分に勝っていく必要があった。
気持ちとか、気合いというのは時代にあってない古い考え方なのかもしれないが、今のチームには必要であり、最後の勝敗を分けるものだと思っているからこそ、これまで求めてきた。
なんの邪魔もしてこない自分自身との戦いに勝てない人間が自分を倒しに向かってくる相手に勝てる訳がない。
自信がないのは、言葉の通り自分を信頼してないから、自分との約束を守れてないからだと思う。
楽しいと感じるためには、楽しくない状況に向き合い、その中で進んでいく過程が絶対に必要だと思う。楽しくないからやらないんじゃなくて、やるから楽しくなっていく。
だから、思うようにいかなくて気持ちが下がる時こそ練習をする必要がある。練習をすることでしか、現状を好転されることなんて出来ない。
最後に勝つために、いい思いをするために、今頑張る。
そこで踏ん張れないと後でもっとしんどい思いをすることになる。
このラストブログという機会に、自分の学び、経験を後輩たちには伝えたい。
自分自身、これまでの学生生活のほとんどの時間をスポーツに費やしてきた。
色々な組織に属する中で、環境がその人間を形成すると感じてきた。
周りの温度感、意識、人間性、これは確実に伝染する。
それは良い方も悪い方も含めてなのだが、不思議な事に、良い環境を作り上げるのには時間がかかり、悪い環境は一瞬で染まってしまう。
入部した時点で今の武蔵の環境があった事、この環境があったからこそ自分も大きく成長する事ができたと感じる。
歴代の方々が積み重ねてくれたMULAX、出会った時に、この環境があった事がどれだけありがたいことか。
この環境に身を置けたからこそ自分も大きく成長する事ができたと感じる。
偶然出会ったこの環境に色々な経験をさせてもらった。
そして考え方も変わった。
今までは、「自分のために」という考えしかなく、この考えが一番自分を強く動かすエネルギーだと思っていた。自分がやりたくてやっている事で根本的なエネルギーが自分のためっていうのは間違いないと思う。だけど、自分を突き動かすものはそれだけではない事に気づく事ができた。
大学生活の中で家族、先輩方、コーチの方々、スタッフなど様々な人に支えて貰い、色んなモノを与えて貰った。
貰ってばかりの人生だが、それらを受け取る中で、自分自身に支えて貰う側の責任みたいなものが芽生えた。
気分が乗らない時、気持ちが下がった時、支えて貰っている存在を思い出して踏ん張りが効くようになった。
個人的な気分で怠惰な行動を自分が取っていい程、与えて貰ったものの存在は小さくない、軽くない。自分だけで部活が出来ている訳ではない。
こんな考えが持てるようになった。
多分、数年前の自分がこの言葉を聞いたらビックリと思う、綺麗事だと鼻で笑うかもしれない。
全て自分中心だった人間がラクロスを通してこんな考えを持てるようになったのは、
「どうしてここまでしてくれるのだろうか」「こんなにしてくれるから頑張らないと」と考えるようになるほどの存在が近くに溢れていたからだと思う。
本当にありがたい限りです。
与えて貰ったモノの数々は自分の中で、負けられない、強くいられる理由となった。
これは、ラクロスを始めてから約3年間で個人的に感じる事ができた事、考え始めた事だが、今のチーム状況にも当てはまる部分があると思う。
当たり前にいるはずだった存在の怪我での離脱。
当人ではない自分がこの場で話すのは失礼に当たらないか、言っていい言葉なのかわからないが、一緒にプレーできない事が死ぬほど悔しい。
1人のファンとして、リーグ戦で輝き、他大学から凄いと恐れられる勇姿が見たかった、自慢したかった。
その選手達は、気持ちを抑えてサポート側に回り、チームの為に全力を尽くしてくれている。本当にかっこいいし、尊敬する。
だからこそ、そんな存在がいるからこそ、俺たちは死に物狂いで覚悟を持って闘わないといけなくて、甘ったれた行動なんて許されない。
体を酷使してしんどいと感じる事ができる、全力で走り息が切れて苦しいと感じる事ができる状態にいる。グラウンドで闘える状況にいる自分たちは恵まれているのだと自覚しないといけない。
出られない分まで、とか
代わりに、なんて言葉は偉大すぎて使えない。
だけど、出せる全ての力を振り絞って闘うと誓う。一緒に日本一を獲ろう。
少し話が変わる。
読んでない人は今すぐ岡野朱里のブログを読んでみて欲しい。凄まじい。
当初、今書いているブログでスタッフの事に対して、「勝ちたくて仕方ないが、試合に出る事ができない」と書いていた。
これに対して「うち自身のプライドとして、一文を消すか、表現を変えて欲しい」と申し出があった。
朱里のこの言葉に対して、申し訳ない気持ちと同時にかっこいいとも思った。
そして、こんなスタッフリーダーが近くにいる、組織にいる事も恵まれていると感じた。
今年のスタッフは感覚として「支える」というより「引っ張る」に近かったように思う。
分析、トレーナー、広報、それぞれが膨大な時間を、労力をかけて、「日本一」に向かって、共に進み続けてくれている。
頼もし過ぎる。今年のスタッフが今のメンバーで良かった。
面と向かって伝えた事は無いが、本当に感謝しています。
「自分」でラクロスを始めて、「自分」が勝ちたくて練習に打ち込んだ、行動の大半が自分軸なのは間違いないし、それでいいと思っている。
だけど、その上で自分の中の「支えて貰った、お世話になった誰か」を頭に置く。
そしたら、苦しい時でも踏ん張りが効く、進み出すための力になる。
そんな「誰か」に助けられまくったラクロス生活も最後のリーグ戦となった。
今までにないくらいの準備はしてきた。
様々な状況を想定して、課題を自覚して向き合ってきた。
自分の強い所でどうやって勝負するか、自分の弱さを曝け出された時にどう闘うか、厳しい状況こそ人としての度量が試される。
俺は冷静に、俺以外は熱く。
下級生なんて、始めてのリーグ戦で思い通りにプレーできないのは当たり前。
やってきた事を信じて、常にチャレンジャー精神で自分のできる事を全力で全うする。
これが大事だと思う。
7大戦後半から4年が怪我で次々に離脱していく中、2.3年生には大きすぎるものを背負わせてしまったと思う。
最初までの良い流れが止まり、見通しが暗くなった時期もあったと思う。
上手くいかず、悩み苦しみ、焦ったはずだ。
そんな中でも逆風に抗い、ポジティブな言動を心がけ、オフを返上して、もの凄いスピードで成長していく姿は本当に頼もしかった。そして嬉しかった。
これから始まるリーグ戦、その強さを頼りにしている。
個人個人への想いは語りきれない程あるが、ここでは伝えない。
勝って、勝ち進めて、日本一になった時に思いっきり伝えたい。
今までの積み重ねの全てが表れるリーグ戦。
ラクロスだけじゃない、私生活を含めた全ての行いが繋がり本気の勝負には表れる。
個人として、大事な時に流れを変える人間に、一番苦しい時に周りに活力を与える人間になると決めてやってきた。
見ていて欲しい、俺の、俺たち4年のラスト6ヶ月。
全員で一つ強固な集団となり戦い抜こう。
この部に所属していて関係ない人なんていない。
試合に出る出ない関係ない、1人1人の言葉・行動がチームに影響を与えて強くする、成長を加速させる。
幹部ブログでの宣言をあえて、もう一度言うとする。
代々託されてきた学生日本一を俺たちは次に託さない。
この一年間を信じて、24‘MULAXが新たな武蔵の一歩となる。
一年に一回しか公式戦がないラクロスというスポーツだからこそ感じる「緊張感」と「高揚感」
この高まりを感じる事のできる最後の年、活力溢れる同期と信頼できる後輩達と共に。
7月14日 ここから武蔵の「spirit」を体現する。