お世話になっております。
23シーズン副主将を務めておりました、小町一颯です。
まずはじめに、この場を借りて23シーズンの武蔵大学男子ラクロス部に関わって下さった全ての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
最後のブログにはなりますが、リーグ戦と4年間を振り返ってみて、後輩に伝えたいことを書こうと思います。
4年間の集大成リーグ戦、結果は1勝4敗。迎えた入れ替え戦での学習院戦、結果は1部残留。最初の感情は、正直ホッとした。
学生日本一を目指していたのだから、入れ替え戦で勝つのなんて当たり前だろって、普通はそう思う。
でも後輩に1部の舞台を残せてホッとしたって感情しかないくらい入れ替え戦までの日々で追い込まれていた。負けることも何度も想像した、それくらい苦しんだリーグ戦だった。
少し前、前主将の英太郎さんと話したのを思い出す。やれることはやったほうがいい、負け越すリーグ戦ほど辛いものはない、どんどんチームが苦しくなるって。言ってることはわかってたつもりだった、でもそれは想像以上に苦しかったし、去年の英太郎さんはこんな重圧に耐えていたのかって。今さら思うのは遅いけど、なんだかんだ英太郎さんを尊敬しているのはこういうところだった。
最後のハドルでもっと勝ち負けの結果にこだわるのが必要って話をした。
4年間の部活動を通して得られるものって沢山あるけど、本音を言えば結局は勝負の世界、結果が出ればそのチームのやってきたことは正解だし、負けたチームは不正解なのだと思う、あくまでこれは俺の意見だけど。でも負けたチームの全部が間違いなのかと言われればそれは違う。
今年のチーム、俺は別に弱かったとは思わない。
大きな要因は3年生の成長速度。オフェンスの3年生がフォーカスされがちだけど、ディフェンス陣の成長があったからこそリーグ戦は戦い抜けた。
特にゴーリーの悠理、俺はラクロスの中でフェイスオファーとゴーリーが強いってほんとに大事な事だと思ってる。悠理の成長があったからこそ、リーグ戦では接戦に持ち込める試合があったと思ってる。
今年の勝ちパターン、それは点をとって試合のリズムを作り、守りきる。このいつも通りが出来てればリーグ戦は勝てた試合ばかりだった。いつも通り、それが出来るのが強くて勝つチームなんだろうけど。
今年、リーグ戦でなぜ勝てなかったのか、その原因は点を取れなかったこと。そして、その責任はオフェンスリーダーの俺にあると思う。
リーグ戦が終わって2週間、「個の力」、ここにこだわっていれば、もっとチームは変わっていたんじゃないかって後悔が残る。手の内がある程度わかっているリーグ戦の試合で、ボールを持った選手が、点を取り切れる力があるのかどうか、この打開力と決定率にもっとこだわるべきだった。
今年のオフェンス陣は、体も大きくないし、日本代表になるような選手もいない、だから6人の力で点を取るんだって、そういう意識しかなった。今思うとこのマインドが良くなかったのかなって感じる。
全員で力を合わせるとか全員で勝つって大事だけど、これは他人任せにもなりやすい。実際、そういう状態に陥っていたから勝てなかったし、この状況をどうにかできたのはリーダーである自分しかいなかった。
でも正直、リーグ戦が始まってからは何が悪くて勝てなかったのかわからなくなっていたし、試合の反省をしても、負けてる理由って本当にこれなのかなって、めちゃくちゃ悩んだ。
2敗していた状態で東大戦を迎える前、チームの現状についてオフェンス陣で話し合う機会があった。その話し合いで、後輩が練習試合でいつも点を取る俺や怜司が点を取らないと勝てないって言ってくれた。その通りだったし、自分が気づかないようにしてた弱さとか逃げてた所を理解した瞬間だった。他の大学は点を取るべく人が取って勝っていたし、それは武蔵にはないところだった。
この勝敗でFINAL4に行ける可能性が残るかどうか決まる東大戦、結果は3-4、また勝てなかった。自分のやり方が違うことに気づくのが遅かったんだって、勝てないことに納得した試合だった。
リーグ戦でこれ以上、上を目指せなくなる、この状況は俺にとっては結構辛かった。本当にこのチームなら勝てるって思ってからこそ、残りの期間は辛かった。
入部してからずっと目標にあった学生日本一。4年間思っていた夢だったからこそ、もう目指せなくなった状況は自分にとって最悪だった。
チームの状況も最悪だったと思う。練習試合の結果も悪くなっていったし、切り替えるために話し合っても、変わらない。そんなチームの雰囲気を変えることをできたのもたぶん俺だった。影響力のある立場であったのに変えることはできなかった、俺は幹部としてはチームになにも残していない。英太郎さんが言っていた通りになったし、入れ替え戦を迎えるのも怖かった、だから冒頭で話したように入れ替え戦が終わってホッとしたんだと思う。
後輩たちに伝えたいことは、目標があってそれを全力で目指せる環境や時間があるなら一生懸命努力してほしいということ。
プレイヤーもスタッフも、それぞれ授業とかアルバイトがあると思うけど、部活で日本一を目指せる環境って当たり前にはないし、本当に貴重な経験ができる場所と時間だったなって終わってから思う。だからこそ、やれること全部をやりきる必要がある。
自分に対してはこれまでの人生にはないくらい限界を求めることが必要だし、それと同じくらいチームメイトに求めなきゃいけない。
個の力という話をしたけど、これは特にプレイヤーに向けて言えること。スタンドの仲間や家族がいくら応援してもその人がプレーすることはできない、グラウンドに立ってプレーする自分がどうにかしなくちゃいけない、誰かとかではなく自分が。OB・OG、家族、コーチ、色んな人の協力があってできたチームの目標が、自分のプレーで決まるという責任を持たなきゃいけない、そしてその機会はプレーしている誰しもに可能性がある、だから他人にも自分にも求めなくてはいけない。
俺はこれができなかった。
日本一を取れる可能性があっただけで、自分自身に絶対的な力と自信がなかったから、みんなでやるんだっていう甘えた考えしかなかった。
これは下級生にも言えること。武蔵は小規模だから下級生から試合に出られるって新歓とかで言われたと思うけど、それは武蔵の弱点でもある。
他大はがむしゃらに努力してその中でも上手い人がやっと試合に出られるのに、武蔵は今いるメンバーでなんとか試合をやっている。他大に比べたら圧倒的に競争力が足りなくなっていく、だからこそ武蔵の下級生は上級生に勝るほど熱意や練習量が必要になる。それに負けじと上級生も練習していくなんて環境になれば小規模とか関係なく強いチームになっていく、難しいことだけど。
下級生は今悩んでることがいっぱいあると思う、部活を続けていく上でモチベーションって大事だし、大変なことはたくさんあるけど、辞めたいとか思ってくよくよしてる暇は武蔵のラクロス部にはないと思う。
武蔵が相手をする他大学は部員100人以上の規模があるし、辞めていくやつにかまっていることなんてない、頑張ってるやつでも試合に出られないことなんてざらにあるし、やる気のないやつなんて相手にもされない。
下級生には求めすぎなのかもしれないし、そういう環境は上級生や幹部が作っていくものだけど、覚悟をもって入部したのならもっとがむしゃらになっていいと思う。
武蔵には他の大学では得られない環境がある。
それはコーチやグラウンドの環境。この少人数の規模で、一部に残し続けるコーチ陣の部活に対する熱意やかけている時間の量は他大ではないと思う。やれるだけやっていいんだからそこは全部利用した方がいい。
今年は例年よりも4年生の数が少なかったから、幹部やリーダーとして3年生の力をたくさん借りた。だからこそ、経験したものがたくさんあると思うし、負けるほどつまらないものはないから、同じような結果には絶対になって欲しくない。新チームの目標を決める時、シーズン最初のブログを書く時とかは、気持ちも入れ替わって気合が入るとき時だと思う。
そんな時にもう一度自分を見つめなおして、覚悟を決めてほしい。今年のままだったら絶対に勝てないのはみんなわかっていると思う。目標に対して他人にどう思われようが求めていく覚悟はできるのか、自分はそんなに上手くないとか現状はいらないから、自分の力で勝たせる力と責任を持つ選手になる覚悟はあるのか、そんなことを考えてほしい。
試合前に急に気合いが入るような奴の言葉には耳を傾けない。毎日、勝つためにできることはないかを考えて、実行していくくらいじゃないと勝てない。俺はやれなかったし、説得力なんてないと思う、でも、大好きな後輩たちには勝ってほしいから、やれると思うから伝える。
プレイヤーよりの話になってしまったけど、スタッフにも伝えたいことはある。
それは話し合って信頼関係を築いていくこと。
プレイヤーとスタッフで意見が違うとか思っていることが違うのに言えないって組織として結構な悪影響になる。
目指す目標は同じでも、思っていることって違うし、ぶつかることもある、でもそれを本音で話し合えたらその関係性は上辺で付き合う関係よりずっと良い。
それはコーチとの関わり方でも言えること。武蔵は他大よりもコーチが組織に関わってくれている。だからこそ言いたいことは言える関係性を築けていることは大事だし、その関係性は絶対に必要になる。コーチの思っていることは話してみて理解できるなんてこともあったし。
1年生スタッフとかでもどんどん会話してみるべきだと思う、意外と長妻さんは待ってるから。
関東の決勝を見に行って、今年のチームで勝てたらどんなに嬉しかったのかなって想像した、もう叶わないけど。
陽平が率いる24シーズン、上手いし、可愛げのある後輩たち、期待しかない。経験も技術もあるし冗談なしに勝てると思う、でもだからこそ死ぬほど努力してほしい。応援してます。
24シーズンも武蔵大学男子ラクロス部の応援をよろしくお願いします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
副将 小町一颯