こんにちは。
'23MULAXスタッフリーダーを務めさせていただきました、川久保瑛奈と申します。
まず初めに、日頃より武蔵大学男子ラクロス部をご支援頂いているOBOGの皆様、保護者の皆様、そして学校関係者の皆様、'23シーズンの活動にご理解ご協力いただき、そして応援してくださったことをこの場をお借りして感謝申し上げます。
引き続き’24MULAXの応援をよろしくお願い致します。
ラストブログ。
これを書くということは、もう現役ではなくなってしまったんだなと改めて感じる。
引退した実感が薄くて、まだ朝4時のアラームをセットしようとする自分がいる。
LINEの通知が減って、毎日シフトも組まなくなって、あれをしなきゃこれをしなきゃと考えることもなくて、何とも慣れない日々。
少ない日でも1日1万5千歩は超えていた私のモチベーションの1つである歩数計は、1万歩を超える日がほとんどなくなってしまった。
リーグ戦が始まる前のラストブログでも色々と部活に対する思いを書いたけど、最後にもう一度、伝えたいことを書いてみようと思う。
ラストイヤーで迎えたリーグ戦は5戦4敗。入れ替え戦に終わった。
最後に見るはずだった景色とは程遠くて、入れ替え戦で勝てた安心感はあったけど、喜びはあまり感じることができなかった。
今回伝えたいのは、この部活の楽しさ、スタッフの目指すところについて。
私は、最後の1年を通じて、自分が持っている知識や経験、それを後輩に伝えることはできたと思う。
でも、リーグ戦の結果を見ても分かるが、この部活の楽しさや、日本一の基準を求めるとはどういうことなのかを、言葉として、行動としてちゃんと示すことはできなかった。
この部活は、普通の大学生活を送っていたら経験しないようなことがたくさんある。
毎朝4時に起きることも、大声を出してグラウンドを駆け回ることも、僻地にあるグラウンドに行くことも、1日中部活のLINEの通知が止まらなくなることも。
おまけに、夏は日焼け止めを塗っても黒くなるし、冬はどんなに着込んでも震えるほど寒いし。
でも、私たちは自ら部活を選んで、大学生活のほとんどの時間を部活で過ごしている。
その理由はきっと、部活が楽しい、から。
部活での「楽しい」は、遊んだり、友達とはしゃぎ合う時に感じる楽しさとは違う。
毎日ひたすらに練習して、たくさん失敗して色々な経験をして、
できなかったことができるようになったとき
自分の目標を達成できたとき
チームの役に立てたと感じたとき
点を決めたとき
そして、試合に勝てたとき
そんな瞬間に味わう感情。
達成感と充実感、またこの感覚を味わいたいと思う何ともワクワクした気持ち。
これがこの部活の楽しさだと思う。
この楽しさを味わうには、目標に対して本気で向き合い、諦めず取り組み続ける必要がある。
1点差でも試合が終われば勝敗がついてしまう世界では、試合終了の笛が鳴るまでその1点にこだわり続けなければならない。
最後まで諦めずにこだわり続けられる人が、最高の楽しさを感じられると思う。
「努力は必ず報われる」
この言葉は、「努力をすればいつか必ず結果が出る」という意味。
生半可な努力が報われるとは思わない。
全力を注いで努力をした場合、これは、半分は嘘で半分は本当だと思う。
嘘だと思うのは、思うような結果が必ず得られるわけではないから。
受験で必死に勉強しても受からないこともあるし、特にスポーツの世界は思い描く結果を出せる人の方が少ない場合もある。
でも、本当だと思うのは、努力が無駄になることはないと思うから。
思い描いた結果が出なくても、別の形で必ず報われると思う。努力の過程で得たものは一生物だし、自分の人生においてかけがえのないものを得ることができるはず。
日本一を取るための努力、楽しさを感じるまでの過程は、今の自分たちが想像している何倍もの時間と労力を費やす必要があるものだと思う。
自分にはできないと最初からどこかで諦めている人は、何をどれだけやっても上達はしないと思う。
でも、「今」はできないことでも、いつか必ずできるようになってやる、自分ならやれる、と信じて続けていれば、それが大きな力になる。
全てはリーグ戦で日本一を取るため。
そこでは失敗は許されない。
だから、それまでの過程でたくさん失敗してそこから学んでたくさん成長する。
これだけやってきたんだから大丈夫、やれることは全てやった、そう自信を持って思えるまで取り組み続け、本番を迎える。
この4年間、日本一を取ることはできなかったし、1ミリも手を抜かなかったと言えば嘘になる。
思うようにいかなくてモチベーションを見失いそうになる時期もあったし、悩んで停滞していた時期もあった。
毎年の4年生が言い残しているように思うが、最後の1年間を頑張るだけじゃ足りない。本当にそう思う。最後の年にも迷っているようなら間に合わない。
最後の年だから頑張らなきゃ、じゃなくて、日本一を目指せるチャンスは4回しかないから、毎年全力じゃなきゃいけない。
選手だけじゃなくて、スタッフも同じ。
確かに、経験値は先輩に劣るかもしれない。でも幸いにも来年のリーグ戦まではまだ時間がある。自分次第で何にでもなれる。
リーグ戦のベンチに立つ人間は、学年なんて関係ない。リーグ戦という大きな舞台で堂々と立ちたいのなら、日々の地道な練習をひたすらに頑張るしかない。
全員の力が必要とされている。来年、1勝でも多く、そして日本一の目標を達成するため、1年後悔いが残らないように1日1日を過ごそう。
今年の関東FINALを見た時、日体や法政のスタッフが心から笑って楽しそうでとても輝いていた。
でもきっとその笑顔の裏には、たくさんの努力と奮闘の日々があったはず。
もう私には、来年なんてない。
でも後輩のみんなには来年がある。
関東FINAL、全学FINALの舞台に立つ武蔵を想像して、そこで自分やチームがどうなっていたいか、そのために何をすべきなのかを考え、そこに向き合っていってほしい。
未来が保証されてなくて、言葉で言うのは簡単でも実際にやるのは、決して楽でも簡単なことでもない。
でも、武蔵のみんなならもっと強くなれる。まだまだやれると思う。
去年の新幹部ブログを改めて読み返してみると、理想のスタッフ像について書いていた。
理想のスタッフ像は、チーム目標を達成するために、チームに何が必要でスタッフは何をすべきなのかを常に考え向き合い、1人1人がそれぞれの業務を追求し続ける姿だと思う。
スタッフは選手をただ支えるんじゃない。選手と一緒に戦っている。
スタッフ業務は、育成である程度のことを教わって、一連の仕事が満遍なくできるようになるのがゴールじゃない。
それはあくまでもベースで、それができてからやっとスタート地点に立てる。
そこからは、苦手を克服したり、ベースを底上げしたり、細かいところを詰めていく。
この段階を続けていくと、スタッフ業務は目に見える結果や実績がないものが多くて、成長を実感するのが難しい。
スタッフが全力で部活に打ち込むって具体的にどうしたらいいのか。
上手くいかないことが続いたり、成長を実感できず伸び悩んでモチベーションを見失いそうになる。
この悩みは私が4年間過ごして自分含め周りでも毎年すごくよく聞く言葉だった。
具体的に何をしたらいいのか。
それは、まずは自分の業務の見直しと改善。苦手だと思うものがあるなら、できるようになるまで練習したり、先輩に教えてもらったりする。自分ができているのか分からないなら、周りからの評価を聞いてみる。
あとは、グラウンドでの練習や日々のユニット業務の中で、効果や意味があるのか少しでも疑問を感じたり、上手くいかないな、と思うことを1つ1つ潰して改善していくことだと思う。
個々が色んな業務を抱えている中で、その1つ1つの業務は意味があってチームの勝利に繋がるものであるべきである。自分がやっていることに疑問を感じたら、これは何のためにやっているんだっけ?と目的を深掘ってみる。同じユニットの人、それに関わる選手やコーチに聞いて、疑問を潰していく。
今までこの武蔵のスタッフ組織を築き上げてくださった先輩たちのおかげで、組織としてある程度の基礎があるからこそ、そういった地道な作業が必要になると思う。
練習では、複雑なメニューが増える中で、どうやったら実践に繋がり質の良い練習ができるかを考え、シュー練で1球でも多く打てるように全力でボールアップをしたり、見やすいビデオを撮ったり、グラメを正確に素早く行ったり、タイマーから指示を出して円滑にグラウンドを回したり。
試合では、選手がベストパフォーマンスを出せるように、正確な時間を管理して選手やコーチに伝えたり、ニューマンを全力で叫んだり、フライしてきた選手にすぐにスクイズや氷を準備したり、選手の変化にいち早く気づいて対応したり。
各ユニット業務でも同じことが言える。
武蔵のスタッフ全員、正解なんて分からないし、今の組織には、明らかに間違っていること以外にやっちゃダメなことなんてないと思う。
意見を出してみて、結果違う答えになっても、全然悪いことじゃない。むしろ、業務を見直す機会を作ってくれてありがとう、と感謝されるべきこと。合ってるかな?変なこと言ったらどうしよう、なんて誰も思わなくていいし、そんなことを思わせない組織にするべきだ。
全員が小さな気づきや意見を大切にする。
迷うなら、やってみる選択肢を取ろう。
大人数の前で言えなくても、誰かにまず言ってみるのでもいいから、言葉に出してみよう。
もし伸び悩んでモチベーションを見失いそうになったら、今思いつく解決法は、初心や目標を忘れないこと、楽しかったこと嬉しかった景色や光景を思い出すこと、同じ悩みを経験した先輩の話を聞くこと、部活での自分の存在価値を見出すこと、だと思う。
思い悩んでいる時、頭の中は目の前の辛いことで頭がいっぱいになって、その一時の感情に左右されてしまう。全てがマイナスに働いて悪循環になる。
そんな時は、この部活に入部を決意した時のワクワクした気持ち、リーグ戦で感じた嬉しさや悔しさ、来年こそはと思う気持ちを思い出したり、先輩スタッフや選手に褒められて嬉しかったこと、勝って嬉しかったこと、みんなで過ごす楽しかった日々を思い返してみて。
目標を再確認して、自分はどうしてそれを目指したいのか、どうなりたいのかを想像してみて。
先輩に話を聞けば、きっと部活の楽しさをたくさん教えてくれる。
そうやって自分の気持ちを整理してみてほしい。
それと同じように、何も上手くいかなくて他の人と比べて、自分は何でこの部活にいるんだろう、と考えてしまうことがあったら、少しだけ時間を作って頭の中を整理してみて。自分が思っている以上に周りから必要とされているし、同じ目標を目指して色んな経験をしてきた先輩もいるから、仲間に話を聞いてみて。
あとは、自らこの部活での存在価値を作ることもできると思う。それが同時にモチベーションの向上にも繋がる。
他の人より自分が1番優れていると思える業務を作ったり、この人より仕事ができるようになろう、この人に褒められるように頑張ろう、とか。
それは簡単なことで良くて、
例えば、
誰よりも大きな声で復唱する、
グラメを暗記して誰よりも早くグラメができるようにする、
誰よりも美味しいポカリやプロテインが作れる、
とか。
本当に小さなことから始めて、部活に対して前向きに取り組むことができるようになれば、自然とモチベーションもまた上がってきて、主体的に取り組めるようになると思う。
4年間は長いようにも感じるけど、人生の中のたった4年間しかない。
何もせずただ時間が過ぎていくだけの4年間と、
挑戦と失敗を繰り返しもがき続ける4年間は、
きっと後者の方が楽しいし、人生において大きく成長できる機会がたくさんある。
全員が後者を選んだ時、チームはもっと強くなれると思う。
人それぞれの人生ではあるけど、私はそう思う。
この部活では、挑戦する力、勝利へのこだわりが求められている。
これは日本一を目指すために必要不可欠。
失敗して落ち込むのは一瞬だけど、後悔は心の中に残り続ける。
「あの時やっておけばよかった」という過去の後悔は一生消えないから、後悔をする前に思ったことには挑戦しよう。
色々と偉そうなことを書いてしまったけど、私にもできなかったことはある。
人一倍ネガティブで悩んでばかりだったし、自分の意見を言ったり、人とたくさんコミュニケーションを取ったりすることは大の苦手分野で、自分なりに頑張っても最後まで克服し切れなかった。
だけど先輩、後輩、同期、他にもたくさんの人に支えられて、周りの人たちのおかげで今の自分があると思う。
辛い時、駆け寄ってきてくれる人たちがいて、素敵な仲間に恵まれていたと心から思った。
関わってくださった全ての方々、
本当に本当にありがとうございました。
私はこの部活で大学生活を過ごすことができてよかった。
武蔵大学の男子ラクロス部に入って、目標は叶わずともラクロスに関われてとても楽しかった。
ありがとう。
そして、MULAXをこれからも応援しています。
スタッフリーダー 川久保瑛奈