『当たり前を疑え』
今シーズンのスタッフスローガンだ。
怖いくらいに、ぴったりな状況になった。
しっかり挨拶をしようとか
使ったボールは片付けようとか
そういう次元の当たり前ではなく、
もっともっと根底の部分の当たり前。
活動はグラウンドで行うものなのか？
ミーティングはコモンスペースでやるものなのか？
新歓は大学でやるものなのか？
こんなこと当たり前の認識すぎて考えたこともなかったけど
今までの自分は、この当たり前に
執着していたことに気付かされる。
部活そのものだけではない。
4月から在宅ワークをしている両親。
1時間しかない休憩時間に家の掃除をするお母さんに、仕事が終わって早々夕食の準備をしてくれるお父さん。
就活真っ只中で"働くということ"を日々考えだしている私にとっては、この両親の行動がなお響いた。
こんな状況にならなければ、私はこの"努力の当たり前"にさえ気づかなかったかもしれない。
また、このタイミングで起きたのも偶然ではないように思える。
人間はなんだかんだ
おかれた状況でなんとか成長するものです。
最初は戸惑いながらも自分に出来ることを見つけるし、求められた分だけ応えようとする。
案外グラウンドに行かなくても出来ることはたくさんあった。悪いことだらけじゃなかった。
時間とお金をかけてグラウンドまで行かなくてもラクロスはできるし、ミーティングもできる。
過去の素材でいろんな画像や動画がつくれる。
新歓だって出来る。
トレーニング指導もできるし、
改めてルールを覚える機会もできた。
オンラインに慣れれば組織練習以外の大抵のことは意外と出来ちゃったりする。
それくらい、単純なものの積み重ねで出来ているものなんだということを感じた。
一方で、どうしても単純化できないものも見つけた。
自ら進んで見えようしなきゃ見えないそれぞれの部員、
いくら見ようしても見えないMULAXの雰囲気。
グラウンドに行けばみんなに会えるから自然と感じ取れる雰囲気があったり
元気のない仲間に気付いたり
しょうもないことで同期や後輩とゲラゲラ笑っていた日常が
ぽっかりとなくなった。
これだけは大きな壁だと感じる。
何言ったって状況が変わるわけではないけど、こんなときに部活があればなあと頭を悩ませたことも一度や二度ではない。
そんな思いを抱えながらも、いまは便利な時代で、
離れた場所にいてもコミュニケーションがちゃんと取れるし、思いを肌で感じることもできる。
この期間に、会わない間に
たくましく、頼もしくなっている同期がいた。
がんばれよ！って応援や、SNSの投稿に反応をくれる先輩がいた。
私たちの活動に本気で向き合ってくれる、力になってくれるコーチがいた。
MULAXに匿名で寄付をしてくださった方もいた。
もしかしたら本人には気づかないくらい些細なことかもしれないけど、自分にとっては大きな励みになった言動がたくさんありました。
チームのことも自分のことも、心から応援してくれている人がいる。
心から向き合ってくれる人がいる。
同じ状況で、頑張っている人がいる。
今だから発信できることもある。
MULAXをもっともっと広めていきたい。
日本一応援されるチームにしたい。
逆にモチベーションが低迷してしまっている人と話をすることもわたしのモチベーションになった。
今はラクロスから気持ちが離れちゃってるなら、もっともっとMULAXを好きになってほしい。自分の居場所を見つけてほしい。
同期や先輩はびっくりするかもしれないけど、この私でもちゃんとモチベーションを維持できているんですね笑
部活や新歓を通していろんな新しい取り組みが出来たこと
後輩に頼もしさを感じることが増えたこと
やっぱりMULAXが好きだなあと改めて感じたこと。
いろんなことが楽しくて、コロナも悪いことばっかりではないなと思うようになれました。
収束した時に全く同じような元通りの生活に戻ってしまったら、せっかく1年の1/4以上もの時間をかけて起こしてきた変化が勿体ない。
いつかこの事態が終わった時に
実りある時間だったと
これを読んでくれている全員が感じられるようなそんな時間にしていかなければならないと思います。
見えそうでなかなか見えないゴールだけど
自分と仲間を信じて、前を向いていく。
いつか自分に帰ってくる日々にしよう。
私はそう決めました。
4年MG 大塚莉香
